第11回
セガサターン版『NiGHTS』チーフサウンドディレクター 牧野 幸文
(現・株式会社デルファイサウンド代表取締役)

 今改めて当時の音源を聞きなおしてみて、自分で言うのもなんですが、本当、よく出来てますよね。ひょっとしたら、あれはある意味奇跡だったのかもしれません。
 制作当時は、とにかく突っ走っていましたので、オーケストラ収録の際には、ヴァイオリンのトリッキーな奏法に、あれはノイズに聞こえないだろうか、とドキドキしてみたり、クリスマスナイツのアカペラ版DREAMSDREAMSを初めてチェックしたときに、その出だしで一同目を合わせて「ポン、ポン、言ってますが…」って、一瞬不安な表情を見せドキドキしてみたりしましたが、とにかく怒涛のように制作を進めていました。
 しかし、今客観的に聞いてみると、そんなドキドキ感が絶妙なバランスでミックスされ、各楽曲のバラエティさ、統一された印象的なフレーズも相まって、ここしかない!、という絶妙なラインで出来上がってます。
 もちろん、ダイナミックサウンドシステム等の技術的アプローチ、SE、VOICEまで含めたトータルなサウンドデザインも、全体としての印象に大きな影響を与えているのは言うまでもなく、当時のスタッフのパワーを改めて感じさせられます。
 とにかく、この作品に関われて光栄だと思うと共に、この奇跡を生み出したスタッフの皆さんに感謝です!

 (Talking Moon って…、なんでもないです)