第5回
セガサターン版『NiGHTS』サウンドコンポーズ&アレンジー 熊谷 文恵
(現・NE研究開発部サウンドセクション2)

 入社数ヶ月にして、いきなりものすごく大きなプロジェクトに加わる事になり・・・、
しかも、一緒にタッグを組むメンバーはセガ一押しのサウンドクリエイター達で・・・、
その上そんな中でステージの曲&ボス曲を完全に任され・・・、
正にわたしの精神と体質を変えたと言っていいプロジェクト「ナイツ」でした。
 学生上がりのノリでミーハー、俗にいうチャラいわたしは、この巨大な組織の中で
ボッコボコに叩きのめされ、時にはよしよしと慰められ、沈んだり輝いたりしたのでした。

 巨人中プロデューサー&チーム全員に吐きそうになりながら楽曲プレゼンした事。
 プレゼンする時は、普段より少し大きな音で聴かせるんだ、と幡谷さんに教わった事。(これは今でも実行中!)
 本当にためになる曲作りのコツ(ナイショです)を佐々木さんに教わった事。 (これも今でも実行中!)
 有休を懇願した時、幡谷さんに「もう先抜ける?」と叱られ、佐々木さんに慰められた事。(佳境な時期に許可を得るわたしも恐ろしい)
 デザイナーにカツを入れられた事。
 誰かの誕生日になると、プレゼントや寄せ書き色紙を贈ったりしたアットホームなチームであった事。
 何もかもがビッグで誰もが情熱を持って作っていた事。
 両親・兄がそれぞれサターン&ナイツを買ってくれ、兄が必死にクリアしクレジットにのるわたしの名前を家族みんなで見た事。(本当、涙もの)

 11年経っても細かな事まで結構覚えています。
 偉大な「ナイツ」。
 当のわたしの楽曲は、今となっては泣けてくる程恥ずかしい出来映えのものなのですが、あれからいろんな経験を積み、それなりに変化してきたと思っています。
 新NiGHTSで多少成長っぷりが垣間みれるかな・・・と。

 これからも永遠に「ナイツ」が続いていくといいのにな、と思っています。